他人事ではない建物の欠陥。
マスコミ取材で説明しきれなかった現象
よくある「欠陥事例」を写真・図解でご紹介。あなたの住まいに心当たりはありませんか?
知らないと損をする。教えられたことがデタラメだった。第三者だから言える本当のこと。
雨漏りや、クロス・外壁等のひび割れ・・・欠陥かな?と思ったら是非その症状と比較してみてください!
我々が依頼された日々の検査記録です。
欠陥住宅を防ぐための豆知識です。
地下鉄堺筋線堺筋本町駅から徒歩8分
青森の3世代の大家族が住む木造3階建ての欠陥事例、地元の建設会社が建てた家での不良の数々、
居住者にシックハウスも伴いトラブルになった。
建物内部の壁や造作家具の取り合い部分には隙間が発生しており、明らかに進行性が確認される。
天井裏を覗いたらそこに不具合の理由が一目で分かる状況が存在してた。
この建物の欠陥の主因は耐力壁の不足と金物の不設置にあった。また3階建てということもあり、
風などにより日常変位を受けていることから、各所にゆがみが発生して、かつそれらが進行していた。
壁に発生しているゆがみ。
入り隅が肌割れしてきている。
巾木と床に隙間が出来て風が入るため、詰め物をしている。軸組と断熱施工が悪かったことが原因だ。
造りつけのカウンターが動いて隙間が発生しているのが判る。軸組不良のため各所が動いているのだ。
設計図から読み取るとすべての耐力壁の倍率は「5」となっていた。
「5」を確保する組み合わせは複数ある。標準的には45×90の筋交いをたすき掛け+石膏ボード、
また両面に構造合板を張る、などだが、この建物に関しては、90×90の筋交いをたすき掛けという設計になっていた。
しかし壁の厚さが105しか無く、90の筋交いがたすきで納まるような厚みはどう考えても無い。
つまり筋交いはたすきが有効になっておらず、片方しか有効にはなっていなかったのだ。
したがって、壁の倍率は「3」しか評価されないことになる。構造計算書の耐力壁の倍率を全て「3」にして改めて計算すると、
耐震強度が不足していることが分かった。また筋交いはもちろん、梁などの仕口にも金物が使われておらず、
極めて耐震上不利であるとの結果が出た。
穴は空いているが、羽子板ボルトがつけられていない。
継ぎ手も金物が使用されておらず、ゆがんできている。
また筋交いは太い90mm角が使用されている。
また施工不良は軸組だけではない。屋根においては隙間が存在しており何と屋根裏に雪が積もっている状況まで確認された。
屋根裏に雪が積もっていた。
屋根の鉄板があらゆるところで開いてきている。
屋根の施工が悪いことが原因。
無落雪屋根といえば聞こえは良いが、単なる鉄板屋根だ。
屋根裏に結露によるカビが発生している。
通気不良と断熱不良によるものだ。